Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
視神経は中枢神経系の一つであるため,一旦損傷を受けるとそのままでは再生せず機能的再建は不可能であると考えられてきた。しかし最近,成熟哺乳動物の網膜の損傷部に末梢神経を移植すると軸索切断された網膜神経節細胞のあるものは変性せずに軸索再生できることがSo and Aguayo1)の研究によって明らかになり,ついで眼窩内で完全に切断された視神経も同様の末梢神経の移植によってその一部が再生することが証明された2)。さらに再生視神経線維よりスパイク活動が記録され,光に対する反応が電気生理学的に確認され,それらが実際に機能できることが証明された3)。しかし将来この末梢神経移植による視神経の再生と視覚機能の再建を臨床応用するためには,ラットやハムスターよりも視覚機能の分化の進んだネコやサルを用いて研究を行っておく必要がある。そこでわれわれは最近,末梢神経移植法を成熟ネコの視神経に応用し,軸索再生した網膜神経節細胞を逆行性に標識し,それらの形態を詳しく調べ,Y細胞やX細胞を同定し,それらにおける再生能の違いなどを詳細に調べてきた4,5)。
As a part of the central nervous system, the retina and optic nerve of adult mammals, when damaged, can not be restored spontaneously. However, from recent works it became feasible to restore the retinaand optic nerve by transplantation of retinal tissue or peripheral nerve. Our interest has been focused on survival and axonal regeneration of retinal ganglion cells (RGCs) after optic nerve section in adult mammals.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.