Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
シナプスの形成過程には沢山の細かいステップがあり,それらのステップが時間的にも空間的にもうまく統合されて,完成したシナプスができあがる。思いもよらなかったことがその間に起きていることが次々と見出されている。また動物の種類によってその形成過程は微妙に異なる。最終的には似た機能を果たすシナプスも,その形成過程には様々な変化があるらしい。シナプスの分化と形成に関する研究は神経筋シナプスを中心に進んでいる。このシナプスは古来,多くの研究者によって研究され多くの知識が集積していること,技術的に扱いやすいことなどの理由からこの種の研究には適している。最近の分子生物学の発達によりまったく新しい観点から疑問をなげかけ,それに答えることが可能になってきた。
筆者は約10年前に同様なテーマで綜説1,2)を書いたのでその頃までに分かっていたことはここでは触れないこととして,それ以後の進展を中心に述べることにする。
Last ten years several new and exciting events have occurred in the research of synapse formation. The vertebrate neuromuscular junction is in the center stage. A factor, agrin, which induces acetyl-choline ( ACh) receptor accumulation was isolated and extensively characterized by the U. J. Mc-Mahan's group at the Stanford University. Several lines of evidence were presented to show that agrin is an inducing factor which is synthesized by motoneurons and causes receptor clustering during neuromuscular junction formation.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.