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はじめに
アテトーゼとジストニーがどのような関係にあるかを理解することは,視点によって異なる。不随意運動の性状,基礎疾患,随伴症状の位置付け,病態生理と生理学的機序など,それぞれについて現在までに得られた知識をもとに論ぜられるが,運動の生理的機序が細胞レベルから統合された脳機能に至るまで解明された上でなければ正確な理解は得られないだろう。そして現段階では,両病態の理解を進めるためにどのような立場に立ち,両病態のどの側面を論ずるかを明確にした上で論を進めるのでなければ,種々な事項をmix-upした不毛の議論に終始する危険がある。
筆者のアテトーゼとジストニーの関係についての理解は10年前に本誌で論じたものと基本的には変らない(柳澤,1985)。その後ジストニーにおける局所脳活動についての知見がPETにより明らかにされつっある(Brooks,1993)一方,アテトーゼの知見には新しいものがない。疾患としては日内変動を伴う遺伝性進行性ジストニア(HPD,瀬川病)の病因については大きな進歩がみられた(Ichinose et al,1994)。本項ではこれらの進歩を念頭においてジストニーの基本的病態を呈する特発性捻転ジストニーについて“異常運動と異常姿勢”という立場から論ずる。
Dystonia is a type of motor disorder characterized by slow, writhing, involuntary movement of extremities, neck or trunk (dystonic movement) and fixed abnormal posture (dystonic posture) due to abnormal involuntary contraction of skeletal muscles resulting from diseases of the basal ganglia. Despite the above described terminology for dystonia as a symptom of extrapyramidal involuntary movements, dystonia musculorum deformans (DMD) or idiopathic torsion dystonia has unique motor disorders as follows.
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