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はじめに
線条体(新線条体)は大脳基底核の入力部位として重要であり,大脳皮質の広範な領域から入力を受けている。以前はこれらの入力は漏斗状に線条体に収束し統合され,線条体は重要な統合センターと考えられていた。しかしAlexander et al1)により,基底核―視床皮質系回路は形態,機能ごとに並列的チャンネルを形成しており,基底核は大脳皮質からの入力が統合される場ではなく,個別的,並列的な情報処理(parallelprocessing)が行われる場であるという概念が呈示された。またDeLong2)は,パーキンソン症や舞踏病の症状発現の機序をこの概念により説明しようと試みた。それ以来,parallel channelingの概念は多くの研究者により支持され,とくに臨床面で広く受け入れられつつある。
一方,線条体は細胞化学的にpatch・matrixコンパートメントに分けられ,神経回路,機能面からこれらのコンパートメントとの関係が詳しく研究されるようになった。当初は発生面から見て,形態機能の解析上矛盾があり,またコンパートメントとの関係があまりにも複雑であり,それほど重要視されなかった。
The striatum, main receiving station of the basal ganglia, has been divided into two compartments based upon staining patterns for many neurochemical, receptor, afferent and efferent systems : a small acetylcholinesterase (AchE) -poor compartment (patch or striosome) and an AchE-rich matrix compartment. The patches are round or ovoid areas 0.3-0.6 mm in diameter about the same diameter as columns in the cerebral cortex and embedded in AchE-rich matrix. They are most prominent in the head of the caudate nucleus. The patches contain higher Dl and opiate receptors.
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