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はじめに
脳における個々のニューロンが“自発活動”していることはよく知られている3,26)。これは,一般には細胞外記録として,またときには細胞内記録として,微小電極法により観測することができる。これはまた,マクロな現象としての自発脳波とその下に横たわる細胞内分子機構とを橋渡しする,神経細胞レベルにおける基礎的現象である。つまり,脳波がそうであるように,そのダイナミカルな特性すなわちニューロン活動の時系列特性には,神経回路網の構造因子や脳の状態因子がより基礎的に反映していることが考えられる。したがって,睡眠の機能や睡眠調節の脳内メカニズムを解明するうえでこの活動は一つのかなめになると思われる。
ニューロン活動を時系列解析の立場から見たとき,二つの重要な視点がある。一つはニューロン活動の短時間時系列特性であり,もう一つは,長時間時系列特性である35)。いずれにも,ニューロンおよびそれを取りまく神経回路網の構造,活動電位発生のメカニズム,意識の状態などが反映していることが予想される。前者には,局所的な神経回路網の構造や活動電位発生のメカニズムがより強く投影されるのに対し,後者には,脳全体もしくは広領域にわたる調節系の機能状態すなわち意識の状態がより鮮明に映し出されると考えられる。
From the view point of time series analysis, there is an important point, whether short (beloM seconds) term aspects or long (over minutes) term aspects of the time series are of interest, concernir4 a neuronal activity which can be regarded as a stochastic point process. Both aspects must be influence( by the neuronal structure, the network, the mechanism of spike generation, the state of the brain, an( so on.
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