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はじめに
前頭葉の機能に関しては,古くから前頭葉が知能を司る部位であると考えられていた。しかし,その後,前頭葉ロボトミーやロベクトミーによって,必ずしも一般的知能テストの成績が低下しないという事例も数多く報告されている。一般的知能テストそのものが,前頭葉の機能をテストする方法として適切ではなかったためであろうと思われる。柔軟な判断や思考,あるいは,行動の企画や組織化を必要とするような課題を用いて,前頭葉損傷患者をテストすると,種々な認知障害が生じることが次第に明らかになってきた7,36)。ヒトの前頭葉損傷後の認知障害としては,①カード分類テストやStroopテストにおける反応抑制の障害16,27),②条件つき連合学習の障害28,31),③時間的順序の弁別・記憶障害17),④自己順序づけ課題やロンドン塔パズルにおける行動の企画・組織化の障害32,35)などが知られている。
カード分類テストでは,図形の描かれたカードを色・形・数に基づいて分類させる。
During these twenty-five years various cognitive impairments in patients with damage to the frontal lobes have been revealed. Similar cognitive deficits have also been demonstrated by ablation studies in monkeys. Lesion studies in monkeys have demonstrated the existence of functionally distinct subareas within the frontal lobes. (1) Monkeys with excisions limited to the posterior dorsolateral frontal lobe (the periarcuate area) were severely impaired in conditional discrimination tasks.
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