Japanese
English
特集 脊髄疾患の画像診断
序論
Introduction.
町田 徹
1
Tohoru MACHIDA
1
1東京大学医学部放射線科
1Department of Radiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.537
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900249
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- Abstract 文献概要
脊髄疾患の画豫診断にはX線撮影,ミエログラフィー,CT(CTミエログラフィー),MRIなどがある。かつてはミエログラフィーが主であったが,使用される造影剤は油性のもの,またはガスで手技に熟練を要し,比較的複雑な検査法のひとつであった。その後,非イオン性水溶性造影剤であるメトリザマイドがミエログラフィーに使用され,当時普及しつつあったCTと組み合わせてCTミエログラフィーが行われるようになり,脊髄疾患の画像診断は一段と進歩を遂げた。さらに,最近ではより副作用の少ない造影剤が開発され,患者に対する侵襲も少なくなってきている。
一方,1982年にわが国に導入されたMRIは,脊髄自体をまったく非侵襲的に描出することができるため,今や脊髄疾患の診断に不可欠の検査法となっている。脊髄疾患におけるMRIの導入は脳疾患におけるCTの登場と同じ位のインパクトが与えられたと言っても過言ではない。またMRIは脊髄自体の構造もある程度描出できるため,従来の検査法では所見の得難い疾患も画像診断の対象となってきている。MRIによる脊髄疾患に対する知見は,脳疾患のそれよりやや遅れてはいるものの,徐々に貯えられまとめられつつあるが現状といえよう。
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