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特集 第26回脳のシンポジウム
5.神経伝達物資受容体とイオンチャンネル
1)分子レベルからみたグルタミン酸受容体チャンネル(抄録)
A molecular view of the glutamate receptor channel.
三品 昌美
1
Masayoshi MISHINA
1
1新潟大学脳研究所神経薬理学部門
1Department of Neuropharmacology, Brain Research Institute, Niigata University
pp.951-952
発行日 1991年12月10日
Published Date 1991/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900194
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I.はじめに
グルタミン酸受容体チャンネルは高等動物の中枢神経系における主要な興奮性神経伝達物質受容体であり,シナプスでの神経情報伝達に中心的役割を担っているとともに,記憶と学習の基礎となるシナプス可塑性の発現および脳虚血やてんかん重積状態などの病態で発生する神経細胞壊死などに深く関わっていることが示唆されている。薬理学的および生理学的研究から,グルタミン酸受容体チャンネルに多様性のあることが指摘され,少なくともNMDA型,AMPA(古くはキスカル酸)型,カイニン酸型に分類して考えるのが一般的であった。AMPA型受容体はNa+,K+を透過し,通常の興奮性シナプス伝達を担っているのに対し,NMDA型受容体はCa2+に対して高い透過性を有し,シナプス可塑性や種々の病態時における神経細胞死に関与していると考えられている。
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