Japanese
English
特集 脳機能の画像化
脳腫瘍の放射線治療計画―映像診断から
Radiotherapy treatment planning of the brain tumor based on imaging modality performance.
竹中 榮一
1
Eiichi TAKENAKA
1
1防衛医科大学校放射線医学教室
1Department of Radiology, National Defense Medical College
pp.816-826
発行日 1990年10月10日
Published Date 1990/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900076
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はしがき
脳腫瘍の放射線治療には,1972年Hounsfield, G. N. の発明したX線CT,さらに1980年から臨床治験が開始されたMRIの寄与はきわめて大きい。放射線治療は本来,局所治療であり,外科療法と相通ずるものがある。脳腫瘍は,病理学的に悪性と確認されたものと,臨床的に悪性と考えられるものとあり,脳外科的には悪性腫瘍の完全切除はありえない。したがって,手術後行なわれる術後放射線治療の関与はきわめて大きい。腫瘍には球形のものはなく,多少の凸凹は存在し,腫瘍のみ照射し,正常組織が照射されぬようにはできない。画像上いわゆる腫瘍領域,標的領域をいかに定めるか,40Gy以上では正常組織の障害の発生率は増加するので1~3),途中でcone downかboost治療にするか,何らかの照射方法を考えるためにも,治療途中のXCT,MRIなどの診断関与はきわめて大きい。これらの点を考え,放射線治療の効果判定に各種の映像方法の映像限界,および生化学的・生理学的画像情報がいかに寄与できるかなどの点につき,放射線治療用線源および放射線治療技術による線量分布の面と映像との関与について概説することにする。
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