特集 緩和ケア実践マニュアル Start Up & Beyond PEACE
Part3 症状別緩和ケアスキルBeyond PEACE
悪心・嘔吐
平本 秀二
1
1三菱京都病院腫瘍内科・緩和ケア内科
pp.70-75
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200374
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総論
2つのガイドラインを踏まえた悪心・嘔吐対策アルゴリズム
日本癌治療学会と日本緩和医療学会から悪心・嘔吐に関するガイドラインが出版されている1,2。対象とする患者背景は異なるものの、これらのなかで悪心・嘔吐に対する制吐剤の使用方法は近い。しかし、同じがん患者でも治療期ではより侵襲的な対応をしても忍容性がある一方、終末期に移行するにつれて忍容性が低下し、副作用は出やすくなる。
もちろん、臨床試験をする際にも終末期の脆弱な集団を対象とする場合は、無作為比較試験なども困難となりエビデンスレベルにも差が出てくる。がん終末期患者に治療期のエビデンスを応用して投薬など対応することもあるだろうが、これらの背景を十分理解して対応する必要があり、患者の全身状態や背景を十分鑑みてアルゴリズム(Fig.1)に沿った対応をすることを全体を通してお勧めする。
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