特集2 上手な予測と現場ですぐできる予防策で快適な治療を実現しよう 先回り式抗がん薬副作用対策トリビア
症状別副作用対策
末梢神経障害対策としての冷却療法と非薬物療法
華井 明子
1
1国立がん研究センター支持療法開発部門/社会と健康研究センター
pp.264-269
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200289
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冷却療法で予防する末梢神経障害
weeklyパクリタキセル投与患者への臨床試験
著者らはweeklyパクリタキセル療法時に手足を冷却することで、化学療法起因性末梢神経障害(chemotherapy induced peripheral neuropathy;CIPN)の主観的・客観的症状が予防可能であることを示した1。CIPNを予防することで、がん治療中および治療後の生活の質の低下の抑制や、CIPNを理由とする化学療法の延期や中断を防ぐことができると期待される。
本研究の対象者は、weeklyパクリタキセル療法(80mg/m2、1時間)を累積960mg/m2以上施行予定の成人患者のうち文書によるインフォームドコンセントが得られた者とした。ただし、パクリタキセル投与前に有害事象共通用語規準(Common Terminology Criteria for Adverse Events;CTCAE)v4.0においてGrade 2以上の神経障害または浮腫が発現している患者、レイノー症状・末梢動脈虚血症状・hand-foot syndromeなど冷却が不適当である患者は除外した。
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