Feature Topic 最期の最後のがん診療
システムと教育
病院勤務の研修医が看取りを学ぶことの意義とその効果
日下部 明彦
1
1横浜市立大学総合診療医学/緩和ケアチーム
pp.444-448
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200227
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消化器内科医が緩和医療に出会う
最初に私の背景をお話させてください。私は、横浜市立大学附属病院での初期研修修了後、8年間消化器内科医または内科医として働いていました。消化器内科医時代は多くの終末期がん患者を担当しました。胃がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、胆管がん……消化器のがんは多岐にわたり、他科と比べても担当患者の看取りが多いと思います。私も多くのお別れのなかで、無力感に苛まれることもありましたが、そんななかで緩和医療に出会いました。「病気は治らなくてもその人の生活をサポートする」という考え方が医療のなかにあることを知ったのです。患者の生活ありきは医療の原点ではありますが、そうした考え方を見失っていたのです。
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