Feature Topic 最期の最後のがん診療
現場でのスキルとメソッド
終末期の予後予測スコアリングツール—実際に使ってみて感じたこと
大森 崇史
1
,
柏木 秀行
2
1飯塚病院総合診療科・緩和ケア科フェローシップ
2飯塚病院緩和ケア科
pp.404-409
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200220
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終末期における予後予測ツール
終末期医療領域における予後予測は、近年注目されるトピックスとなっている。予測しない状態で患者を失った家族にはうつ病の発症や複雑性の悲嘆が増えたという報告もあり1、根拠を持って予後予測を行なうことは終末期ケアの質を高めるうえで重要である。
予後予測は経験や患者の徴候から判断されることが多いが、医師は患者の予後を楽観視する傾向があることを心にとどめておく必要がある。終末期がん患者を対象としたある研究では、医師の推定する予後は平均42日であるのに対し、実際の生存期間は平均29日とおよそ2週間も短かったと報告していた2。
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