連載 Evidence “The Classic” Review
《肺がん》非小細胞肺がんに対する維持療法を確立したParamount試験
田村 洋輔
1
1大阪医科大学附属病院呼吸器内科・呼吸器腫瘍内科
pp.106-107
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200168
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Summary
Paramount試験は、進行非扁平上皮非小細胞肺がん(腺がん、大細胞がんなど。以下Non-Sq NSCLC)の初回治療としてシスプラチン+ペメトレキセド(CDDP+PEM)による導入化学療法後のPEM単剤による維持療法(maintenance therapy)の有用性を検証した第Ⅲ相試験である1。ⅢB・Ⅳ期の未治療Non-Sq NSCLC症例を対象として、CDDP+PEMを4コース施行後、効果がSD(病勢安定)以上の症例においてPEMを投与する群とプラセボを投与する群に2:1にランダム化割付された。539例が登録され、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は4.1 vs. 2.8ヶ月(HR 0.62、p<0.0001、Fig.1)とPEM群ではプラセボ群に比しPFSの有意な延長が認められた。Grade 3以上の毒性は貧血(4%vs.<1%)、好中球減少(4%vs.0%)、倦怠感(4%vs.<1%)とPEM群に多い傾向であったが、全体として毒性は軽微であった。本試験にてPEMによる維持療法の有用性が証明された。
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