View-point がん診療 「大腸がん」
大腸がんについての臨床的概論
堀江 良樹
1
,
中島 貴子
1
1聖マリアンナ医科大学臨床腫瘍学講座
pp.294-301
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200085
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1 診断
わが国では検便検査による大腸がんスクリーニングが広く行なわれている。免疫学的便潜血検査二日法では、2回のうち1回でも潜血陽性であった場合、全大腸内視鏡検査を行なうことが推奨されている。そのほか、腹痛や血便、排便回数の増加や便が細くなったなどの便通の変化、貧血、倦怠感、体重減少などの症状に対する精査のなかで大腸内視鏡検査が行なわれ、大腸がんの発見にいたることもある。また嘔気・嘔吐など腸閉塞による症状が発見の契機となることもある。大腸内視鏡検査にて肉眼的に腫瘍性病変を見つけた場合には、生検による病理診断にて悪性所見を確認することで確定診断となる。その際、大腸内視鏡所見に加えて超音波内視鏡検査や注腸X線検査、MRI検査などによる補助診断を用いて壁深達度を診断する。進行がんであれば、CT検査やMRI検査などを用いて他臓器浸潤やリンパ節転移、遠隔転移の評価も行なう。CEAやCA19-9などの血清腫瘍マーカー値が診断の参考になることもある。
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