連載 これからのがんサポート[2]
がん相談支援センターの役割と機能
品田 雄市
1
1東京医科大学病院がん相談窓口
pp.184-188
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200064
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患者の治療参画と促進
がん対策におけるがん相談支援センターの最も大きな役割。それは、従来には必須ではなかった患者・家族への相談体制が制度化されたことで可能になった、広い意味でのがん治療への患者の参画とその促進にあると思います。
むろん、これまでのがん医療に患者の治療への主体的参加がなかったという意味ではありません。充実した個別の医師・患者関係を軸に、看護師をはじめとするコメディカルスタッフや、医療ソーシャルワーカーなど医療従事者の努力によりむしろ積極的に様々なケアや対応が提供されてきました。一方で、こうした支援は、本当に患者・家族の心に届いていたでしょうか。確かに、たまたま良医との出会いに恵まれ、充実した医療設備の下で行き届いた看護やケアを受け、そのいのちの最期まで同じ病院で治療が受けられた場合には、幸せな治療生活だったと言えるかもしれません。
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