連載 レジメンマネジメントの流儀[1]【新連載】
レジメンマネジメントってなんだろう?【前篇】
河野 勤
1
,
森 玄
2
1杏雲堂病院腫瘍内科/化学療法部
2練馬光が丘病院医療技術部/薬剤室
pp.134-139
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200054
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レジメンマネジメントとの出会い
薬剤師である私がレジメンマネジメントと出会ったのは、2003年にさかのぼる。それまでも、抗がん剤治療に携わったことはあったが、処方だけはオーダーリングで電子化されていても、カルテは紙であり、その患者の身長も体重もがん種もラボデータもわからず、処方箋通りの調剤だけをしていたことを思い出す。
その年に、当時のがんセンター中央病院を退職された渡辺亨先生(現:浜松オンコロジーセンター院長)が、私の勤めていた山王メディカルプラザという19床の有床診療所に赴任された。渡辺先生は、がん治療については右も左もわからない看護師、薬剤師、臨床検査技師を相手に、しかもオーダーリングすらない、手書きのカルテに手書きの処方箋で運用していた施設において、その頃はまだ珍しかった外来化学療法を3床から実践された。その際に導入されたレジメンの管理システムは、当時の院内マネジメントのあり方を大きく変えた。がん治療自体も大きく変わっている現在から振り返れば改善の余地はあるものの、その基本部分は今なお有用である。私はこのときに初めて、レジメンマネジメントの有用性と必要性に開眼したのである。
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