特集 ストーン・ウォーズ 果てしなき“石”と医師との闘い
扉
矢吹 拓
1
1国立病院機構 栃木医療センター
pp.870-871
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204922
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私たち医師と“石”との果てしなき闘いは、古くはヒポクラテスの時代からと言われています。救急外来で診療していても尿管結石や胆石を診療しない日はほとんどありませんし、結晶沈着性関節炎(CPPD)や耳石による良性発作性頭位めまい症(BPPV)も日々遭遇する疾患でしょう。かのウィリアム・オスラー先生も1892年に出版した『The Principles and Practice of Medicine』の中で、尿管結石について明記しています。結石性疾患は古今東西のコモンディジーズです。
結石や石灰化が起こる場所や患者背景は実に多彩であり、その疾患スペクトラムや病態生理的機序に精通しておくことは、あらゆる臨床医にとって重要です。各臓器システムにおける結石・石灰化を整理し、背景となる食事や使用薬剤、ホルモンやビタミン摂取、リスク因子としての感染症や手術などの外科的治療介入についてまとまって記載されたものは、実はほとんど見当たりません。
本特集では、代表的な結石性疾患から比較的稀な疾患まで、“石”について可能な限り網羅できる特集を目指し、「結石性疾患のバイブル」として活用されることを期待しています。
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