Editorial
〔エピソードⅠ〕果てしなき“石”との闘い
矢吹 拓
1
1国立病院機構 栃木医療センター
pp.869
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204921
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分類学の父であるカール・リンネは『自然の体系(Systema Narurae)』(1735年)の中で、「自然界は鉱物界・植物界・動物界の3界に区分される」と体系化した。リンネはさらに「鉱物は成長する。植物は成長し生きる。動物は成長し、生き、感覚を持つ」と述べている。18世紀に登場した博物学者であるジャン=バティスト・ラマルクは、著書『動物哲学』の中で「動植物と鉱物の間には超えられない断絶がある」と強調し、分類体系として両者には大きな差異があるとした。
本特集テーマは「石」と「人体」である。リンネやラマルクからすれば、全く別の分類体系である鉱物界と動物界が、超えられない断絶を超え、人体の中で出合っているのは大変感慨深い。
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