特集 COVID-19パンデミック 振り返りと将来への備え
【COVID-19診療・対策振り返り編—新型コロナウイルスが教えてくれたこと】
—臨床❹診療所医師—COVID-19が板橋区の「地域医療」にもたらしたもの
石川 元直
1,2,3
1医療法人社団焔 やまと診療所
2おうちに帰ろう。病院
3「みんなで考える医師になる」やまと在宅医養成センター
キーワード:
COVID-19
,
新型コロナウイルス感染症
,
自宅療養者
,
往診
,
在宅医療
,
まるっと事業
Keyword:
COVID-19
,
新型コロナウイルス感染症
,
自宅療養者
,
往診
,
在宅医療
,
まるっと事業
pp.41-45
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204110
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東京都板橋区は23区の北西部に位置し、人口は57万人ほどである。病院数は40施設で、そのうち6施設は500床以上と、23区内でも有数の医療資源が潤沢な地域である。機能強化型在宅療養支援診療所である「やまと診療所」は、板橋区を中心に現在約1,100人の患者に在宅医療を提供している。最期までその人らしく過ごせ、自分らしく生きてきた1人ひとりの人生と歴史をつなぐ在宅医療を模索している。コロナ禍では、入院すると面会制限があるため最期を自宅で迎えたいと考える患者が多くなり、自宅看取りに力を入れてきた当院への訪問診療依頼数は急増した。
2021年4月には、120床の地域包括ケア病棟をもつ「おうちにかえろう。病院」を板橋区内に開設した。当法人のミッションは、「温かい死を通して、人が人を想う気持ちを大切にできる世界をつくる」というものである。チームで認め合い、喜び合い、信じ合い、高め合う。当院のそんな仲間たちが力を合わせ、地域の診療所・急性期病院・後方支援病院・保健所とタッグを組み、相互の役割分担を徹底して行い、限られた医療資源の地域内最適化を進めることで、廃用が進みやすい高齢者の速やかな在宅復帰の実現につなげることができた。本稿では、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)流行の第5〜7波における「板橋区」での当法人および区医師会の取り組みを紹介する。
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