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特集 精神疾患・精神症状にはどこまで脳器質的背景があるのか—現代の視点から見直す
COVID-19後遺症(long COVID)の精神神経学的側面
Aspects of Psychiatry & Neurology in Long COVID
久保田 隆文
1,2
Takafumi Kubota
1,2
1東北大学大学院医学系研究科神経内科学分野
2東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野
1Department of Neurology, Tohoku University Graduate School of Medicine, Miyagi, Japan
2Department of Epileptology, Tohoku University Graduate School of Medicine, Miyagi, Japan
キーワード:
COVID-19後遺症
,
long COVID
,
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
精神神経学
,
neuropsychology
Keyword:
COVID-19後遺症
,
long COVID
,
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
精神神経学
,
neuropsychology
pp.445-449
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207245
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抄録
COVID-19後遺症(long COVID)の精神神経症状には,疲労,認知障害,睡眠障害,抑うつ,不安,心的外傷後ストレス症(PTSD)などが一般的である。long COVIDの診断のための特異的な検査はないが,PETでの代謝低下など,いくつかの特徴的な所見が報告されている。long COVIDの病態は,炎症,虚血作用,直接的なウイルス侵入,社会的・環境的変化に起因すると考えられる。「女性」「併存症」「COVID-19の重症度」などは,精神神経症状のリスク上昇と関連している可能性がある。long COVIDは,神経精神症状の種類によって,自然に治癒することもあれば,持続することもある。long COVIDの確立された治療法はまだないが,さまざまな心理学的および薬理学的治療が試みられている。COVID-19ワクチン接種は,long COVIDの予防に重要な役割を果たしている。
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