特集 慢性腎臓病大全—“困った”に応える診療アップデート
【さまざまな疾患とCKD】
❺COVID-19とCKD
菅原 有佳
1
,
平川 陽亮
1
1東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科
キーワード:
慢性腎臓病
,
CKD
,
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
ワクチン
,
抗ウイルス薬
Keyword:
慢性腎臓病
,
CKD
,
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
ワクチン
,
抗ウイルス薬
pp.276-280
発行日 2026年3月15日
Published Date 2026/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510360030276
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CASE 1
患者:60代、男性。独居、元来活動的で日常生活動作は自立。
既往歴:高血圧症、2型糖尿病。
内服薬:ノルバスク®(アムロジピン)5mg/日、ミカルディス®(テルミサルタン)4mg/日、メトグルコ®(メトホルミン)500mg/日。
現病歴:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン未接種。咽頭痛と微熱を主訴に近医を受診。抗原検査にてSARS-CoV-2陽性(オミクロン株流行下)。軽症例として自宅療養を指示されたが、経過中に発熱が持続し、食欲不振と倦怠感が増強。発症4日後に尿量低下、意識レベルの低下がみられ、患者宅を来訪した家族により救急搬送された。
臨床経過:搬送時、体温38.4℃、血圧92/60mmHg、脈拍数108回/分、呼吸数24回/分、SpO2 93%(室内気)。明らかな脱水所見を認め、BUN 55mg/dL、Cr 2.6mg/dL(baseline 0.9mg/dL)、eGFRは急激に低下。尿所見では尿蛋白(+)、顆粒円柱を認めた。尿量は500mL/日以下。血清カリウム5.6mEq/L、乳酸軽度上昇。
COVID-19に伴う全身状態の悪化および脱水、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)内服などが関連した急性腎障害(acute kidney injury:AKI、stage 2〜3)と診断。降圧薬およびメトグルコ®は中止され、点滴加療と支持療法が開始された。腎代替療法は回避され、約10日間の入院加療で尿量は改善。最終的にCr 1.4mg/dLまで回復し、退院となった。

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