特集 ますます必要になるかぜの専門知識
【小児のかぜのみかた】
のど型かぜ―急性咽頭・扁桃炎―
小森 正博
1
Komori Masahiro
1
1川崎医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
かぜ
,
急性咽頭炎
,
急性扁桃炎
,
かぜの鑑別
Keyword:
かぜ
,
急性咽頭炎
,
急性扁桃炎
,
かぜの鑑別
pp.1459-1462
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001875
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
かぜの診断は,鼻閉,鼻汁,咽頭痛,発熱,咽頭の発赤など,病歴と局所所見に基づいて臨床的に行われる1)。その診断では鑑別すべき疾患は多岐にわたる。基礎疾患の有無,ワクチン接種歴,周囲の感染状況などは病原体の推定に重要である。また,3カ月未満,3カ月から3歳未満では注意すべきことが多い2)。耳・鼻・のどの視診,頸部の触診だけでなく,時に全身の観察や聴診,触診も必要になる。また,発症初期に受診した場合,かぜの初期症状か,かぜに似たほかの疾患の症状かを鑑別することはしばしば困難で,断定できなければ慎重に経過を診ることが求められる。中には,学校保健安全法上の配慮が必要な疾患も含まれる3)。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.