特集 医師の働き方改革—システムとマインドセットを変えよう!
【総論】
❷「医師の働き方改革」で伝えたいこと
渋谷 健司
1
1相馬市新型コロナウイルスワクチン接種メディカルセンター
キーワード:
医師の働き方
,
自己犠牲からの脱却
,
ビジョン検討会
,
「高生産性・高付加価値」構造
Keyword:
医師の働き方
,
自己犠牲からの脱却
,
ビジョン検討会
,
「高生産性・高付加価値」構造
pp.1216-1220
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203401
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読者にとって「医師の働き方改革」はどのような印象を受けるだろうか? ある人にとっては勤務時間が管理され、今までのような超過勤務が減るのではないか、と好意的に考えるかもしれない。逆に、大学病院などで働いている若手にとっては、当直やアルバイトの時間が減って、どうやって生活を維持できるのか不安になるかもしれない。コメディカルの方は、タスクシフトやその負担が気になるかもしれない。サービスを管理する側の視点からは、医師不足がますます顕在化して医療供給体制が維持できなくなってしまう、と考える方もいるかもしれない。多様な意見があると思われるが、共通する印象は、「よくわからないけれども、自分の身がどうなるか不安だ」ということではないだろうか。そのため、医師の働き方改革とは何を目指したのか、そしてその先にある医療のあり方を、できるだけ多くの医療関係者と共有する必要があるだろう。
本稿では、この2点に関して、医師の働き方改革の前提となる医療のあり方のビジョン、そして、医師の働き方改革そのものに関する2つの政府の検討会に関わった者として、私見を述べたいと思う。
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