特集 「検査」のニューノーマル2021—この検査はもう古い? あの新検査はやるべき?
扉
髙橋 宏瑞
1
,
徳田 安春
2
1順天堂大学医学部 総合診療科
2臨床研修病院群プロジェクト 群星沖縄
pp.1084-1085
発行日 2021年9月15日
Published Date 2021/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203345
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ホスピタリストの代表的学術誌である『Journal of Hospital Medicine』に「Things We Do For No ReasonTM」1)という人気シリーズがある。うまく韻を踏んだ英文タイトルでもあり注目を集めたが、「根拠がないのに私たちがやっていること」という自戒が込められており、読まずにはいられなくなるのだろう。「根拠」とはエビデンス、「こと」とは検査や治療の内容を指している。過剰な検査や診療による有害性やコスト増大が、先進国の医療シーンで問題となった背景がある。「Choosing Wisely®」や「High Value Care Academic Alliance(HVCAA)」などのキャンペーン活動が立ち上がったなかで登場したシリーズだ。
エビデンスは時間軸で変化し、最近はその速度が加速している。研修医時代の知識の貯金で食べていけるとは限らないのだ。そこで本特集では、日本の医療シーンにも適応できる「検査」に焦点を当て、最近の現場でいつも議論になる項目を厳選し紹介する。執筆者は、診療現場で指導医として活躍しながら、エビデンスのアップデートを常に心がけている若手医師集団だ。本特集が、生々流転で変化するエビデンスに柔軟に対応できる医療者のためになれば幸甚である。
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