特集 診断に役立つ! 教育で使える! フィジカル・エポニム!—身体所見に名を残すレジェンドたちの技と思考
扉
志水 太郎
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1獨協医科大学 総合診療医学・総合診療科
pp.1312-1313
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202861
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「エポニム(eponym)」とは、人名に因んで命名された言葉のことです。医学には多数のエポニムがありますが、それらは、現代医学をつくり上げてきた偉大な先達の存在を、私たちに物語っています。今に名を残すメディカル・エポニムは、その発見・開発者が、さまざまな臨床経験をもとに、思考錯誤を重ねたうえで発表し、それが轍となって、歴史の風化を受けずに、または受けながらも継承されてきたものです。
本特集では、エポニムを「フィジカル(身体所見)」に絞って取り上げました。その身体所見あるいは身体診察の技術は、いかに発見・開発され、いかなる臨床的意義をもつものなのか? それを改めてひもとくことは、病変に的確に迫り、身体の内部やメカニズムを“想像しながら”身体所見をとるという、診察技術上達の核心に迫る助けとなるはずです。フィジカル・エポニムの歴史を通して、その医師の人生や情熱に触れることは、現代の私たちが実際に用いている診察技術に深みと愛情をも与えることでしょう。
先達の知恵と情熱を受け継ぎ、検査に押されがちな身体診察の技術を保護する。本特集が、その一助となれば幸いです。次の世代への伝承(教育)にも、ぜひお役立てください。
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