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Case
患者:74歳、男性。
既往歴:高血圧症(4年前より)のため、カンデサルタン4mgを内服している。
家族歴:特記すべきことなし。
現病歴:約2年前から歩く速度が遅くなり、他人によく追い抜かれるようになった。ゴルフでも以前ほど飛距離が出なくなった。管理職であり、朝礼での挨拶の途中で声がかすれるようになった。また挨拶のなかで「何回か同じことを繰り返して言う」と周りから指摘されるようになったが、自分では全く身に覚えがなく、「そんなことはない」と声を荒げることが多くなった。また、言いたいことが思い出せないことが増え、会話に「あれ」「それ」を使うことが増えた。さらにここ数カ月前から顔がむくむようになり、全身倦怠感も強くなった。会社の健診で肝機能障害と高コレステロール血症を指摘され、当院を紹介受診した。
現症:意識清明。血圧131/72mmHg、脈拍数47回/分・整。両側の上眼瞼に黄色腫様の皮疹を認める。貧血なし。甲状腺腫は触知しない(七條分類0度)。胸部聴診上異常なし。肝臓を右肋弓下に1横指触知する。両側の前脛骨に陥没浮腫を軽度認める。徒手筋力検査では上下肢ともに異常なし。深部腱反射;アキレス腱反射に反応遅延あり。長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)20/30点。
初診時検査所見(カッコ内は基準値)
●血算:WBC 6,700/μL、RBC 507x104/μL、Hb 13.9g/dL、Plt 22.5x104/μL。
●生化学:Alb 4.5g/dL、Cr 1.38mg/dL、BUN 17mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.5mEq/L、LDH 373IU/L(109〜210)、AST 75IU/L(13〜35)、ALT 68IU/L(8〜48)、γ-GTP 37IU/L(7〜60)、ALP 161IU/L(104〜338)、T-Bil 0.9mg/dL(0.3〜1.2)、CK 1,385IU/L(35〜175)、CRP定量0.03mg/dL(0.30以下)、TG 167mg/dL(26〜173)、LDL-Chol 186mg/dL(139以下)、Glu 94mg/dL、HbA1c 6.2%。
●胸部単純X線写真:心拡大なし。
●心電図:低電位を認める。
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