オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・29
高齢者の頸部痛、これで決まり?!
相澤 直輝
1
,
盛島 明丈
1
,
徳田 安春
2
1医療法人おもと会 大浜第一病院
2臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター
pp.600-604
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202091
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CASE
患者:93歳、男性。
主訴:頸部痛、発熱。
現病歴:当院受診2日前、デイケア中の発熱を主訴に近医を受診し、急性前立腺炎の診断で抗菌薬(レボフロキサシン水和物500mg/日)を処方される。発熱持続と頸部痛を主訴に、当院受診となる。
既往歴:2型糖尿病、アルツハイマー型認知症、リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica : 以下PMR)。
アレルギー歴:特記事項なし。
薬剤歴:メトホルミン500mg、シタグリプチン50mg、ガランタミン臭化水素酸塩8mg。
家族歴・生活歴:特記事項なし。喫煙なし、飲酒なし。
来院時身体所見:
●外観:身長156cm、体重62kg、BMI25.7kg/m2。
●バイタルサイン:血圧135/65mmHg、脈拍数84回/分、呼吸数16回/分、体温38.2℃、SpO2 93%(室内気)。
●全身状態:意識清明、倦怠感あり、活気低下。
●頭頸部:咽頭発赤なし、顔面叩打痛なし、項部硬直なし、右後頸部に圧痛あり、側頭動脈圧痛なし。
●胸部:心雑音なし、正常肺胞呼吸音。
●腹部:平坦、腸蠕動音亢進なし、圧痛なし。直腸診にて前立腺に軽度圧痛あり。
●四肢:下腿浮腫なし、筋把握痛なし。
●神経:明らかな麻痺なし、詳細な神経学的診察は困難。長谷川式スケール17点(中等度認知機能低下)。
来院時血液・尿検査所見:表1。
胸腹部単純X線写真:特記所見なし。
頸部CT:歯突起周囲の石灰化あり(図1)。
頸部MRI:椎体炎を疑う所見なし。
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