みるトレ Special・29
ただ耳が痛かっただけなのに
笠原 敬
1
1奈良県立医科大学感染症センター
pp.581-584
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202083
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
患者:60歳台、女性。糖尿病。
現病歴:入院10日前から左耳の違和感が出現し、自分で耳かきや綿棒で中をいじっていたが増悪する疼痛が出現したため、入院7日前に近医耳鼻咽喉科を受診した。ゲンタマイシン含有軟膏やオフロキサシン点耳液を処方されたが、その後も症状は改善せず耳周囲の発赤が拡大したため、入院3日前から外来でセフトリアキソンを連日投与された。しかし、その後も改善なく、入院当日の朝、38℃台の発熱を認め、呼びかけへの反応も鈍くなったため、家族が救急車を呼び来院した。
画像所見:頭部CT(図1)では、左外耳道と乳突蜂巣に軟部陰影の充満と、後壁〜上壁優位に溶骨性変化を認めた。また頭部MRI(図2)では、左側頭葉への炎症の波及が示唆された。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.