投稿 総合診療外来
原発性胆汁性肝硬変で2次性高HDL血症を認めた1例
八島 広典
1
1昭和大学病院糖尿病代謝内分泌内科
pp.485-487
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202026
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CASE
患者:44歳、女性。
主訴:定期外来で脂質異常症を指摘された。
既往歴:橋本病、原発性胆汁性肝硬変、乳がん、Sjögren症候群、肝血管腫。
家族歴:特記事項なし。
現病歴:28歳時に健診で初めて肝障害を指摘されたが、医療機関受診はしていなかった。42歳時に受診した人間ドックで、飲酒過多のない状況でAST 49IU/L、ALT 47IU/L、ALP 61IU/L、γ-GTP 355IU/Lと、改めて肝胆道系酵素の上昇を指摘され、消化器内科を受診した。採血では抗ミトコンドリア抗体陽性で原発性胆汁性肝硬変の診断となり、肝庇護薬が導入された。同時期にドライマウス、ドライアイの症状があったことからリウマチ内科を受診し、自己免疫疾患の検索でSjögren症候群と橋本病が指摘され、レボチロキシン補充が開始された。その後はレボチロキシン25μg/日の維持量でFT4、TSH正常範囲が継続していたが、定期採血で、LDL 167mg/dL、HDL 105mg/dLと各々異常高値を指摘され、スタチン製剤導入目的を含めて、当生活習慣病外来で相談となった。
身体所見:身長159cm、体重42.3kg。甲状腺触知せず(明らかな腫大なし)。肺音(-):清。心音(-):不整、心雑音なし。下肢浮腫なし。
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