特集 意外な中毒、思わぬ依存、知っておきたい副作用—一般外来で!OTCも処方薬も!
【OTC薬剤による中毒症・依存症】
他にもある!OTC関連の障害
高岸 勝繁
1
1京都岡本記念病院総合診療科
キーワード:
薬剤性髄膜炎
,
薬剤性肺炎
,
NSAIDs
,
総合感冒薬
,
イソジンうがい薬
,
甲状腺機能低下症
Keyword:
薬剤性髄膜炎
,
薬剤性肺炎
,
NSAIDs
,
総合感冒薬
,
イソジンうがい薬
,
甲状腺機能低下症
pp.151-155
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201893
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case1
患者:60歳台、女性。
主訴:頭痛、発熱、意識障害。
2週前に運動後に腰痛を自覚し、市販薬であるイブA®(イブプロフェン)を使用し始めた。1週間前より頭痛を自覚。また37℃台の発熱が認められた。頭痛に対してイブA®を継続していたが、徐々に頭痛は増悪。受診当日朝に、呼びかけに対して反応が乏しくなり、38℃台の発熱を認めたため、救急搬送となった。
診察では体幹に紅斑と項部硬直が認められた。血液検査では、WBC 12,500/μL(Eos 6.9%、Neut 74%)、CRP 6.8mg/dL、BUN 43mg/dL、Cr 2.6mg/dLと炎症反応増多、また好酸球の増加、腎不全が認められ、尿検査では無菌性膿尿、蛋白尿、尿糖陽性、尿中好酸球2%が認められた。髄液検査では細胞数280/μL、多核球60%、単核球40%、蛋白75mg/dL、糖54mg/dL(Glu 80mg/dL)と、髄膜炎所見が認められた。髄液グラム染色は陰性、後に判明した髄液培養や髄液単純ヘルペスPCRも陰性であった。
薬剤による間質性腎炎、無菌性髄膜炎を考慮して、イブプロフェンを中止し、保存的加療を行ったところ、発熱、皮疹、頭痛、意識障害は3〜4日かけて徐々に改善を認めた。改善後にDLST(薬剤によるリンパ球刺激試験)を行ったところ、イブプロフェンで陽性であった。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.