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特集 小児臨床検査2024
Ⅶ.血液生化学検査
2.蛋白,膠質反応および関連物質 8)KL-6,肺サーファクタント蛋白(SP-A,SP-D)
KL-6 and surfactant proteins A and D
玉井 直敬
1
Naotaka Tamai
1
1慶応義塾大学小児科学教室
キーワード:
間質性肺疾患
,
肺胞蛋白症
,
膠原病
,
薬剤性肺炎
Keyword:
間質性肺疾患
,
肺胞蛋白症
,
膠原病
,
薬剤性肺炎
pp.199-201
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001916
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1 検査の意義と適応
1)Krebs von den Lungen-6(KL-6)
Ⅱ型肺胞上皮細胞や呼吸細気管支上皮細胞の表面に発現する分子量100万以上のシアル化糖蛋白である。Kohnoらは癌細胞に反応する新規モノクローナル抗体を作製し,肺癌や膵腺癌などの患者血清中で高値を示す糖鎖抗原としてKL-6を報告した1)。その後KL-6は問質性肺炎で健常者やほかの呼吸器疾患と比較して高値になることが明らかになり,問質性肺炎の診断マーカーとして広く用いられている。KL-6は肺においては主にⅡ型肺胞上皮細胞で産生され,肺胞腔内粘液中に高濃度に分布する。肺胞上皮細胞の障害時やその再生時に肺胞中から血中に移行することで,血中KL-6濃度が上昇する。肺以外においては膵管や乳管などに存在し,それらの臓器での悪性疾患での上昇が確認されている。
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