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糖尿病診療ガイドラインの種類
糖尿病の診療ガイドラインは多数あり,米国で主要に参照されるADA(American Diabetes Association,米国糖尿病学会),ACP(American College of Physicians,米国内科学会), AACE(American Association of Clinical Endocrinologists,米国内分泌学会)のもののほか,EASD(European Association for the Study of Diabetes,欧州糖尿病学会),IDF(International Diabetes Federation,国際糖尿病学会),WHOのガイドラインなどがそれぞれある.日本のガイドラインは2007年に改訂された科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン第2版(日本糖尿病学会編)があり,これは医療情報サービス事業「Minds」のウェブサイトに公開されている1).
糖尿病領域では最近,診断基準の再検討,新規治療薬の導入などから診療が大きく変わる可能性があることから,本稿では最新のADAガイドライン2010年版2)の紹介を中心に,日本のガイドラインとの相違点,今後の展望について記述する.総合診療領域の医師を対象としたことから,成人の2型糖尿病についての記載を中心とし,1型など特殊な病態については記載を省略した.なお近年,HbA1cの測定が標準化されつつあり,諸外国ではNGSP(National Glycohemoglobin Standardization Program)法を用いた方法が標準となっている.しかしながら,日本で通常行われているJDS(Japan Diabetes Society)法はこの値より高めに出ることが明らかになり(約0.4%),注意が必要である.本稿ではNGSP法によるものをA1C,JDS法によるものをHbA1cと区別して記載した.
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