特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する!
【Case series 1 病歴と診察で突き止める!】
急に喉がカラカラで!
宮田 崇
1
,
有馬 寛
1
1名古屋大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科
キーワード:
多尿の鑑別
,
中枢性尿崩症
,
バソプレシン
,
血清Na濃度
,
高張食塩水負荷試験
,
デスモプレシン
Keyword:
多尿の鑑別
,
中枢性尿崩症
,
バソプレシン
,
血清Na濃度
,
高張食塩水負荷試験
,
デスモプレシン
pp.1044-1047
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201051
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Case
患者:55歳、男性。
既往歴:特記事項なし。
内服:なし。
家族歴:特記事項なし。
現病歴:1カ月前から急に口渇・多飲・多尿を自覚するようになった。1日に10〜20回程度の排尿があり、1回当たりの排尿量は約200〜300mLと多い。就寝中にも尿意で目が覚め、夜間を通しても4〜5回の排尿が見られるようになり、その度に口渇感から飲水を行っている。就寝前に飲酒はしていない。排尿困難感や残尿感は見られない。体重はここ1カ月で2kg程度減った。多尿の精査目的で入院となった。
身体所見:血圧121/74mmHg、脈拍数95回/分、体温36.8℃。入院後の1日尿量約7〜8L。1日飲水量約5〜6L。口腔内乾燥あり。
検査所見
●血液検査:TP 8.0g/dL、UA 7.8mg/dL、BUN 18mg/dL、Cr 0.86mg/dL、Na 145mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 106mEq/L、Ca 9.9mg/dL、P 3.1mg/dL、Glu 104mg/dL、HbA1c 5.4%、血清浸透圧298mOsm/kg H2O。
●尿定性:尿糖(-)、尿蛋白(-)、尿潜血(-)、比重1.003、尿浸透圧93mOsm/kg H2O。
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