特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 3 カリスマ編
【各論】
System1|電光石火の感染症snap diagnosis
心疾患は聴診! ではなく、まず視診と触診!
藤本 卓司
1
1耳原総合病院 救急総合診療科
キーワード:
躍動性の脈
,
頸動脈拍動
,
内頸静脈波
,
大動脈弁逆流
,
拡張早期雑音
Keyword:
躍動性の脈
,
頸動脈拍動
,
内頸静脈波
,
大動脈弁逆流
,
拡張早期雑音
pp.874-877
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200999
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Case
1カ月続く微熱で初診し、いったん帰宅となった高齢女性
患者:76歳、女性。生来健康。
現病歴:1カ月前から37〜38℃程度の発熱と頭痛が持続。近医で抗菌薬が処方されるも軽快せず。初診時の身体診察では異常所見を認めなかったが、念のために採取した血液培養2セットが後日陽性と判明し、急きょ入院となった。
入院後、担当医が診察を行ったが、微熱はあるものの、身体診察上の異常所見を見出すことはできなかった。上級医が呼ばれて診察すると、視診と触診の両方で立ち上がりの速い大きな頸動脈拍動が認められ、胸骨左縁第3〜4肋間に高調な拡張早期雑音を聴取した。心臓超音波検査にて大動脈弁に疣贅と逆流があり、翌日、血液培養からαレンサ球菌が同定され、「感染性心内膜炎」の診断に至った。
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