みるトレ Special・5
脳膿瘍の穿刺液から髪の毛のような細菌が……!
笠原 敬
1
1奈良県立医科大学感染症センター
pp.647-650
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200925
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
CASE 5
患者:70歳台、男性。特記すべき既往歴はない。
主訴:ふらつき、左半身に力が入らない。
現病歴:普段は、農作業をするなど普通に生活していた。当院受診5日ほど前から立ち上がった時や歩いた時にふらつきを自覚し、徐々に左手足に力が入りにくくなった。受診2日前から、38℃台の発熱を認め、立ち上がるのも困難となった。受診前日には呼びかけにも反応が鈍くなったため、当院を受診した。
身体所見:GCS(Glasgow Coma Scale) E3・V5・M6、血圧110/66mmHg、脈拍数64回/分、体温37.9℃、呼吸数14回/分。項部硬直あり。
左上下肢で軽度の筋力低下を認める。
検査所見:血液検査WBC 9,000/μL、CRP 1.1mg/dL
頭部単純CT(図1)および病変部位穿刺液のグラム染色写真(図 2)を示す。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.