臨床検査から何がわかるか・3
髄液・関節液・穿刺液
河合 忠
1
1自治医科大学臨床病理学
pp.653-656
発行日 1979年6月1日
Published Date 1979/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918704
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体内には,いくつかの体腔が存在し,これらの体腔はすべて(女性の腹腔は例外)外界から完全に遮断されている.これらの体腔はいずれも内臓を覆い,それらの臓器同士の摩擦を防ぎ,外界の激しい震動による臓器の損傷を防ぐためにあり,少量の体液が存在して潤滑油の役割を果たしている.それらのうち主なものは漿膜,脈絡膜および滑膜に分けられ,それぞれ漿液,脳脊髄液および滑液を作っている(図1).
これらは,いずれもほぼ同じ構造をもっている.すなわち,分化した分泌腺を持たず,疎性結合組織を基礎に毛細血管を豊富に含み,漿膜は一層の扁平な中皮細胞層,脈絡膜は一層の立方形の脈絡膜細胞層(上皮細胞由来),滑膜は滑膜細胞層により覆われている.
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