非専門医にもできる! リウマチ・膠原病診断 膠原病を疑う検査異常 鑑別とアプローチ
炎症反応上昇 CRP,ESRの解釈
陶山 恭博
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1JR東京総合病院 リウマチ膠原病科
キーワード:
C-Reactive Protein
,
変形性関節症
,
感染
,
リウマチ性多発筋痛症
,
結合組織疾患
,
エリテマトーデス-全身性
,
鑑別診断
,
赤血球沈降速度
,
痛風
,
病歴聴取
Keyword:
Blood Sedimentation
,
C-Reactive Protein
,
Diagnosis, Differential
,
Connective Tissue Diseases
,
Gout
,
Infection
,
Medical History Taking
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Osteoarthritis
,
Polymyalgia Rheumatica
pp.265-273
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017162618
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感染症は膠原病関連疾患と類似した症状を呈することがあるため,慎重に鑑別を進めていく.予期せぬCRP・ESRの上昇を経験したときには,痛風・偽痛風による上昇も疑う.膠原病関連疾患は症状が同時に出現するとも限らないため,過去の所見にも遡ることができる問診,とくに既往歴の確認は大切なステップである.頭頸部の診察から多くの情報を得ることができる.リウマチ性多発筋痛症を疑う場合は,身体に触れて疼痛の範囲を確認する.間質性肺炎以外にもCT検査から膠原病関連疾患を示唆する所見はある.検査をするときは副鼻腔も含めると診断の助けになることがある.ESRとCRPの乖離(ESRは著明に高値だが,CRPはほぼ正常)があれば,全身性エリテマトーデス,Sjoegren症候群,IgG4関連疾患などが鑑別となる.ただし,多発性骨髄腫,MGUSに注意する.
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