特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。
【総論】とはいえ、基本は病歴と身体所見!
原因不明の発熱の原因と、やってはいけないこと
岸田 直樹
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1一般社団法人Sapporo Medical Academy
キーワード:
横綱級不明熱
,
全治療介入の中止
,
待つ勇気
,
培養未提出見切り発車薬剤ローテーション
Keyword:
横綱級不明熱
,
全治療介入の中止
,
待つ勇気
,
培養未提出見切り発車薬剤ローテーション
pp.416-419
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200859
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Case
患者:64歳、男性。
現病歴:3週間前から38℃近い発熱あり。近医を受診して「風邪」と言われ、セフカペンピボキシル、総合感冒薬、ロキソプロフェンなど処方されるも、発熱が持続したため再度受診したところ、抗菌薬がレボフロキサシンに変更となった。その後全身に紅斑を認めたため薬疹が疑われたが、発熱も認めたため、近くの総合病院に紹介入院となった。
入院後、レボフロキサシンを中止しメロペネムを開始するも、解熱を認めずロキソプロフェン定期内服としていたが、解熱は認めず。バンコマイシンとミカファンギンも併用としたが、熱源不明のまま腹痛・下痢を認め、腎機能も悪化したため、ステロイドパルス療法を開始したうえで2日目に当院総合診療科へ転院となった。
来院時、全身に色素沈着を認める皮疹が残存し、血液検査でも腎障害に加えて肝障害も認めた。また、Glu 600mg/dLと著明な高血糖を認め血液検査をしたところ、HbA1cが9.0%あり、バイタルサインは安定していたため、ひとまず血糖コントロール以外のすべての治療を中止し、仕切り直すこととした。
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