特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 2
【System 1─電光石火の感染症snap diagnosis編❸】
全身痛い! これってリウマチ?
小野 正博
1
1有隣病院 内科
キーワード:
パルボウイルスB19感染症
,
伝染性紅斑
,
関節痛
,
関節炎
Keyword:
パルボウイルスB19感染症
,
伝染性紅斑
,
関節痛
,
関節炎
pp.919-922
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200358
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Case
小学生の娘と暮らす成人男性の全身痛
患者:40歳,男性.生来健康.
主訴:発熱,関節痛.
現病歴:2週間前より身体がだるく,37.8℃までの発熱と頭痛もあった.10日前近医を受診し,ペレックスⓇ,ロキソプロフェン,ファモチジン,オロパタジンを処方された.1週間前より,朝両手がこわばるようになった.全身(両手,両肩,胸部,背部,両大腿,両膝,両下腿)が痛く,立ち上がるのもつらくなった.ロキソプロフェンを飲んでも軽快しなかったため,当院を受診した.体温37.2℃.四肢・体幹に淡い紅斑を認めた(図1).両手はやや浮腫状だが,熱感はなかった(図2).家族は妻・小学生の女児2人の4人暮らしで,最近妻の体調が悪いという.よく話を聞くと,10日前ころ次女の頬が赤かったという.パルボウイルスB19感染症を疑い,IgM抗体を測定したところ上昇が確認され,「パルボウイルスB19感染症」と診断した.
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