特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 2
【System 1─電光石火の感染症snap diagnosis編❷】
“forgotten disease”の逆襲
武田 孝一
1
1自治医科大学附属病院 アレルギー・リウマチ科
キーワード:
Lemierre症候群
,
化膿性血栓性静脈炎
,
septic emboli
Keyword:
Lemierre症候群
,
化膿性血栓性静脈炎
,
septic emboli
pp.916-918
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200357
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Case
Porphyromonas asaccharolyticaによるLemierre症候群の一例
患者:35歳,男性.
現病歴:来院4日前から,発熱・咽頭痛・左頸部痛が出現した.来院当日,異常行動(休日なのに突然出勤準備を始める)やふらつきが目立つため,家族に連れられて当院を受診.体温39.5℃,血圧80mmHg台とショック状態で,咽頭後壁の発赤,著明な圧痛を伴う左頸部の腫脹を認めた.検査所見では,炎症反応高値・血小板減少症・肝腎機能障害を認め,頸部〜骨盤部造影CTでは,左扁桃周囲膿瘍・左内頸静脈血栓性静脈炎・両肺の多発結節影を認めた(図1).後日,血液培養から嫌気性菌であるPorphyromonas asaccharolyticaが培養され,「Lemierre症候群」と確定診断した.血液培養陰性の確認後,計6週間抗菌薬を投与し,軽快した.
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