特集 関節が痛いんです!─コモンからレアものまでの診断と治療
【関節痛で疑う比較的レアな疾患】
SLE,MCTD,血管炎症候群
鈴木 紘史
1
,
山本 祐
1
1自治医科大学附属病院総合診療内科
pp.359-361
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200185
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Case
患者:25歳,女性.
主訴:発熱,関節痛.
現病歴:3週間前に,誘因なく37℃台の発熱と右膝の疼痛が出現した.市販薬服用でも改善がないため来院し,白血球2,000/μlとCRP 0.2mg/dlからウイルス感染症と診断された.NSAIDsを服用していたが,薬効が切れると37℃〜38℃台の発熱がみられることが続いた.1週間後には右膝の疼痛に加えて右膝腫脹による歩行困難もみられ,左手首の腫脹・疼痛もみられるようになった.また,同時期より顔面の紅潮を自覚したため再診し,多関節炎,顔面紅斑,白血球減少から,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)が疑われた.
検査所見:白血球1,800/μl,赤沈30mm/1時間,CRP 1.2mg/dl,抗核抗体160倍,C3 68mg/dl(基準値86〜160),C4 12mg/dl(17〜45),CH50 21.3U/ml(24.7〜39.5),ヒトパルボウイルスB19 IgM抗体陰性.
経過:抗核抗体陽性,低補体血症もあることからSLEを最も疑い,膠原病科へ紹介した.同科で追加の検査が予定された.
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