特集 関節が痛いんです!─コモンからレアものまでの診断と治療
【関節痛で疑うコモンな疾患】
内分泌性関節症—更年期・糖尿病・甲状腺機能低下症
平島 修
1
1徳州会奄美ブロック総合診療研修センター
pp.356-358
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200184
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Case
患者:生来健康の52歳,女性.あちこちが痛い.
現病歴:約1年前より頸部〜両肩の痛みがあり,我慢しながら仕事は継続していた.徐々に両肩の痛みが強くなり,1カ月前から膝の痛みも出現,「リウマチではないか」と心配で外来受診した.
身体所見:両肩・膝・手指の関節には腫脹,熱感.可動域制限は認めず,軽度の圧痛を認めるのみであった.感覚異常などの神経学的異常は認めなかった.
経過および検査:関節症状および周辺の症状について再度詳しく病歴聴取した.事務職で,夫,息子と3人暮らし.半年前から職場の人事異動,息子の就職など環境の変化で眠れないことも多くなった.1年前に閉経.半年前から発熱はないが,からだのほてりを自覚していた.採血ではCRP,血沈,リウマチ因子,TSH,FT4のいずれも異常はみられず,肩・膝関節の単純X線写真でも関節に異常は認めなかった.更年期に伴う関節症と診断し,ホルモン治療を開始した.
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