Japanese
English
特集 早期肝細胞癌の画像診断update
各論
早期肝細胞癌の分子病理
Molecular pathology of early hepatocellular carcinoma
山﨑 剣
1
,
真杉 洋平
1
,
坂元 亨宇
1
Ken YAMAZAKI
1
,
Yohei MASUGI
1
,
Michiie SAKAMOTO
1
1慶應義塾大学 医学部 病理学教室
1Department of Pathology,School of Medicine,Keio University
キーワード:
腫瘍マーカー
,
オミックス
,
肝細胞癌
,
悪性化
Keyword:
腫瘍マーカー
,
オミックス
,
肝細胞癌
,
悪性化
pp.297-302
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100577
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要旨
早期肝細胞癌の鑑別は症例によっては難しく,腫瘍マーカーを利用した判定が必要となる.HSP70やCAP2,Talin 1は肝細胞癌のオミックス解析から同定されたマーカー分子であり,癌悪性化とも関連している.進行癌の多くで高発現している分子は,早期の段階では低発現のものが多い.また,早期癌では,マーカー分子を発現する癌細胞と発現しない癌細胞が混在し,免疫染色で不均一な陽性を示す.これらのことから,悪性化関連分子を高発現する癌細胞が腫瘍内で優勢となり,新たな結節を形成するのが肝細胞癌の悪性化過程と考えられる.癌悪性化と関連する分子は,早期の段階においても悪性度を判定する因子となりうるであろう.
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