書評
肝臓の外科解剖―門脈segmentationに基づく新たな肝区域の考え方 第2版
山本 雅一
1
1女医大主任教授・消化器外科学
pp.279
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100568
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肝静脈還流に基づく区域分類が新たな肝切除の地平をひらく
『肝臓の外科解剖――門脈segmentationに基づく新たな肝区域の考え方 第2版』が発刊された.初版より7年が経過したが,その内容の充実ぶりには目を見張るものがある.
初版の序には,肝区域の考え方の変遷が記載されている.肝区域はこれまでさまざまな分類がなされているが,どれも不十分なものであった.特に「肝癌取扱い規約」の区域・亜区域分類は,実は解剖学的門脈分岐に沿ったものではなく,このため多くの誤解が生じた.また,著者らが主張しているように,肝内門脈分岐は決してCouinaud区域分類と一致していない.実際の門脈分岐形態に沿った新しい区域分類が提唱されるのは,3D画像の進歩を見ると当然なことと考えられる.
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