State of the Art
径2cmの胆囊過形成性ポリープの1例
藤本 武利
1
,
林原 紀明
1
,
三輪 亘
2
,
岡田 洋一
3
,
加藤 洋
4
1平塚胃腸病院外科
2平塚胃腸病院内科
3都立豊島病院放射線科
4癌研究所病理部
pp.265-270
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100047
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患者 29歳,男性.
主訴 無症状.
既往歴・家族歴 特記事項なし.
現病歴 2005年5月に急性腹症のため,緊急入院した.急性虫垂炎と多発性胆囊ポリープの診断で,前者に対して虫垂切除術を行い,いったん軽快し退院した.後者に対してはその後外来で精査を行い,経過観察後,手術目的で2006年9月に再入院した.
入院時現症 右下腹部の虫垂切除後瘢痕のほか,特記すべき異常所見なし.
入院時血液生化学検査所見 腫瘍マーカーのCEA・CA19-9を含めて特記すべき異常所見を認めなかった.
US 胆囊頸部に径1cm(矢頭),底部に径2cmの有茎性隆起(→)を認め,いずれも表面が顆粒状であり,肝よりやや高エコーを示した.底部の壁が厚さ6~7mm位に肥厚していた.体部側には,径2~3mmの小さな隆起を多数認めた(図1:T5.0MHz).高周波探触子(T8.4MHz)を用いると,底部の壁肥厚部分の表面が顆粒状を示していた(図2).
造影US レボビスト1Vを急速静注して造影を行うと,静注後,30秒位から病巣の染影が始まり,早期相(動脈相)で樹枝状の染影がみられたが,後期相では染影がみられなかった(図3:左下の数字は急速静注後経過時間[分:秒]を示す).
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