肝内血管短絡（Rendu-Osler-Weber病を含めて）

Hepatic Vascular Shunt

　肝内血管短絡には，肝動脈門脈短絡（arterioportal shunt），肝動脈静脈短絡（arteriove-nous shunt），肝内門脈静脈短絡（intrahepaticportal-systemic venous shunt）があり，各々発生異常に基づく先天性のものと様々な誘因にて発生する後天性のものがある．画像上の特徴は肝内血管の異常な拡張・走行および造影CTでの門脈や肝静脈の早期濃染像である．肝動脈門脈短絡やRendu-Osler-Weber病などでは肝実質の部分的な異常濃染域も見られる．超音波検査は多くの病変におけるスクリーニングに有用であり，ドプラ検査での肝血管の血流異常をとらえることにより種々のタイプの短絡が診断可能である．治療法としては経皮的塞栓術が第一選択となるが，その適応と治療手技の選択は個々の症例において慎重に決定されるべきである．