Japanese
English
特集 門脈圧亢進症の病態と治療
胃穹窿部静脈瘤の血行動態的特徴と難治性要因
Hemodynamic Characters and Intractable Factors of the Gastric Fundal Varices
樋口 勝彦
1
,
國分 茂博
1
,
日高 央
1
,
渡辺 真彰
1
,
小野 弘二
1
,
磯部 義憲
2
Katsuhiko HIGUCHI
1
,
Shigehiro KOKUBU
1
,
Hisashi HIDAKA
1
,
Masaaki WATANABE
1
,
Kouzi ONO
1
,
Yoshinori ISOBE
2
1北里大学東病院消化器内科
2北里大学東病院放射線科
1Department of Gastroenterology, Kitasato University East Hospital
2Department of Radiology, Kitasato University East Hospital
キーワード:
胃穹隆部静脈瘤
,
B-RTO
,
SO-EIS
,
B-RTV
,
PTP
Keyword:
胃穹隆部静脈瘤
,
B-RTO
,
SO-EIS
,
B-RTV
,
PTP
pp.753-759
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900350
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胃穹窿部静脈瘤は供血路として左胃静脈よりも短胃静脈や後胃静脈の関与が強く,排血路としては胃腎シャントを有している例が多い.その治療において,胃腎シャントや左下横隔静脈を排血路とし,バルーン下逆行性カテーテル的静脈造影(B-RTV)にて静脈瘤全貌の描出が可能な場合はバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)の良い適応であるが,B-RTVにて静脈瘤が描出されない症例や淡く造影されるにとどまる症例に関してはシャント閉塞下内視鏡的硬化療法(SO-EIS)の適応と考えられる.胃腎シャントや左下横隔静脈以外の主要排血路を有し,排血路側からアプローチできない症例に関しては,経皮経肝門脈造影(PTP)を施行し,供血路側からの評価が必要である.当科において数本の肋間静脈を主要排血路とした1例に対しては,Modified percutaneous transhepatic oblit―eration:Modified PTOを施行し,また門脈―肺静脈吻合(PPVA)を主要排血路とした1例に関しては留置スネアによる内視鏡的胃静脈瘤結紮術(EVLs)を施行した.この2例はいずれも食道静脈瘤に対するEVL施行後に胃穹窿部静脈瘤が発生しており,不十分な治療による供血路の残存あるいは堰止め現象が難治性胃静脈瘤発生の要因になったものと考えられた.
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