十二指腸乳頭部腫瘍のUS, EUS, IDUSによる診断

Ultrasonographic Diagnosis of the Cancer of the Duodenal Major Papilla

　乳頭部癌の画像診断において各種超音波検査法は，非常に重要な役割を担っている．体外式超音波検査は，閉塞性黄疸の診断には必須であり，超音波内視鏡検査（EUS）および管腔内超音波検査（IDUS）は，直接的に重要な情報を提供する．EUSでは，低侵襲かつ詳細な検討が可能であり，EUSにて，膵浸潤など進行癌の診断がなされれば，さらなる精査は不要と言える．一方，IDUSは，Oddi筋層を描出しうる唯一の検査法であり，これにより，早期乳頭部癌の診断が可能となり，治療法の選択のうえでも臨床的有用性は高い．当科および関連施設での過去7年間の62切除例におけるIDUSの深達度診断正診率は85.5％であった．