講座 最新の消化器CT診断[最終回]
消化器画像診断の新しいストラテジー
山下 康行
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部放射線診断学部門
pp.309-313
発行日 2004年3月15日
Published Date 2004/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100361
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肝胆膵の画像診断は当初は血管造影,核医学,膵胆道造影などを中心として展開してきたが,それに超音波,CTなどが加わり診断能は飛躍的に進歩した.最近ではこれにMRIや超音波内視鏡,PETなどの検査も加わり,多種多彩な診断法が臨床の場に提供されるに至り,従来からの診断体系も見直す必要があると考えられる.
一方,日本の年間医療費は40兆円を超えるようになって医療費の削減が声高に叫ばれている.その一環として保健医療費の包括支払い方式が特定機能病院で導入され,今までのようにとにかく何でもやってみようというような姿勢は許されず,個々の疾患に応じて最も診断能に優れ,費用も安く,かつ正確に病態評価が出来るような検査を厳選して行うよう心がけねばならなくなりつつある.また,検査においては合併症の発生を最小限(できれば0に)にする必要があり,低侵襲であることも非常に重要である.検査といえども十分なインフォームドコンセントのもとにevidenceに基づいて行われなければならない.
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